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Playful Kitchen
Home Party Recipe Book
art direction/graphic/photograph /illustration
<初めての出版>
ある日、友人の森田美樹ちゃんが持ってきたのは、自身が執筆したロンドンで暮らすさまざまな人種の日常生活と、その登場人物の食べることにまつわる短編集でした。なんでもない日常と食を軸に、ふらっと他人の人生を共有する感じが心地よくて一気に読んだんだけど、実はこの本の出版を手伝って欲しいとの依頼!そのために、文章だけではなく、ビジュアルも作りこんで、自主出版も視野に入れながら、出版社に企画を持ちかけようという企み。私たちも本の装丁や料理やその撮影を自主的にやっていたこともあって、おお〜これは面白そう!と即答で共同作業を開始しました。
文章の校正を進めながら、写真のセレクトや装丁のビジュアルなど、舞台のロンドンに添うように作り込んでいきました。印刷は自宅のプリンターで、とってもカジュアルだけど、本当にいちから手作りでたった3冊作り上げました。
それと並行して、友人知人を伝って出版社探しです。まずは進行中のビジュアルを見てもらって、その内容に合った出版社を紹介してもらい訪ねました。ただ、なかなかいい返事がもらえず、そう簡単にことは進まないなぁと。常に鞄に入れて持ち歩き、出版とは関係のないクライアントの打ち合わせの時も、今こんなことやっているんです、って見てもらったりしました。
そうこうしていると、一度持ってきてみて、と会ってくれる出版社が現れました。その頃、他の仕事で知り合ったライターさんや、デザイン関連の知り合いなども繋がりのある出版社でした。私たちもその出版社を聞いて、まさか!会ってくるの?と半信半疑。それまでのこともあるので、ワクワクドキドキで打ち合わせに行くことになりました。
挨拶もそこそこに自作の本を片手に自己紹介を兼ねてこれまでの経緯を話しました。話はロンドンにまつわる雑談もあってそこそこ盛り上がり、ひとまず本を預けることになりました。
後日連絡があり、もう少し具体的に詳しく話し合いたいとのこと。ん?今までとは違う展開だぞ、と3人で気もそぞろに再訪問することに。そして色々話し合った結果、エピソードにあるようなレシピの実用書としてなら出版してもいいかも?となりました。私たちとしてはエッセイのような、短編集なのにクックブックという体が気に入っていてたので、今度は私たちがそのオファーを持ち帰ることになりました。ただ制作にあたっては私たち3人に全面的に任せたいと強く言ってもらったので、とにかく本として形になることを目指し、そこからビジュアルも含めどうアレンジできるのか?一気に方向性転換しながら考え直すことになりました。
レシピ本となるとビジュアル中心になりがちなので、そこにひと工夫したくて、本編に出てきたようなホームパーティをよりカジュアルに、レシピも4コース料理で組み合わせられるようにしようとなりました。何より美樹ちゃんがマナーなどにも精通していたので、それを砕けた感じでビジュアルも組み合わせることでまとめようと考えました。
そしてできたのがこのPlayful Kitchenです。最終的には料理の本として無事出版することができました。いつかまた短編集のクックブックに挑戦してみたいと思います。
published 01/04/2005
text & recipe: miki morita
art direction: Bob Foundation
publisher: Petit Grand Publishing, Inc
112p / A5 soft-cover / all colour
ISBN 4-939102-89-0 C2077